2021.06.16

高額紙幣対応両替機の修理 ER-200の識別ユニットお札つまりを修理

両替機ユニットPD-15

パチンコ屋さんからER-200修理依頼

両替機ER-200

みなさん、こんにちは!今回はER-200の修理依頼です。まず初めに、ER-200は20年以上前にパチンコホールさんで稼働していた両替機です。

現在は、メーカーの修理対応・部品供給は終わっている両替機となります。まだ、パチンコ屋さんで使ってるお店も多いのですが・・・壊れた場合潰しがきかないので、故障=廃棄となる両替機です。

正直に申し上げますと当社も修理をしたくない両替機です。今回は、ホール様のご依頼で「頼むから何とか修理してくれないか?」と拝み倒され・・・ドツボにハマった事例をご紹介します。

埼玉のホールさんからER-200の注文が入る

今年の2月に埼玉のホールさんからER-200の注文が入りました。当社はER-200を滅多なことで入荷しません。もう限界に近い両替機です。中古として転売しても長持ちしなさそうなので、ほとんど買取りの依頼はスルーいたします。

こんかい、入荷をした理由は、ER-200の中身を見るとPD-15が数年前にグローリーでメンテナンスしてる履歴が確認できたので買取りをいたしました。PD-15を自分の目でたしかめると・・・なるほど殆どの消耗部品は交換されています。

状態が良い両替機なので、こんかいは買取いたしました。
当社で、動作点検を行い問題がないので、格安でホームページに掲載→すぐにホールさんからご注文を頂く→発送の準備→の途中でお客さんから・・運賃を節約したいのでPD-15だけ(中身だけ)を注文したいとお電話がありました?お客さんのご要望によると、ER-200の本体が倉庫にあるので中身だけが欲しいとのこと・・・掲載金額が80000円だからPD-15だけにすると、もっと安くならないかと、無理難題なご提案!

当社からすると、そんなことは誠に申し訳ないのですが聞き入れることができません。なぜかというと中身がない両替機を持ってても、どうにもなりません。ゴミにしかならないからです。

お客さんにあくまでも両替機一式のご購入をお願いすると渋々納得してくれました。が、料金は変わらずでいいから中身のみを購入したいとのこと。

それだと、当社も納得しない訳にはいきません。いやな予感がしましたが・・・・

PD-15がトラブルの連続


この、PD-15は初めてユニットのみで発送をしましたが、ここからがドツボの始まりでした。厳重に梱包して送ったつもりでしたが、(E-326?だったと思います)が解除できないと早速クレームの電話がかかってきました。何度もテストして間違いないと思って発送したのですが・・・お客さんに返品をお願いする→PD-15が当社に戻ってくる→分解してエラーの原因を探る→原因を発見→修理→テスト→異常なし!

これで、もう一度「発送→お店に到着→もともとあったER-200に装着→エラー326→本当になおしたのか?お叱りの言葉を頂く!」

仕方ないので出張修理に行くことにしました。

現場に到着しパチンコホールで修理に取り掛かります。ユニットを取り出して分解してみると・・・どうやら、運送途中にお札の収納部分のある金具が震動で外れるみたいです。

金具を正常な位置にもどしてテストすると、難なくエラーは解除され故障の原因をお客さんに説明しました。お客さんも納得されたみたいで、後片付けをして会社に戻ろうとするとER-200の壊れた入出金ユニットが他にもあるので修理してほしいと相談されました。

ここで、ビシッと断っておくべきでした。当社が今回ER-200を買い取ったのは、数年前にメーカーがオーバーホールしたER-200だったから買い取ったのですが・・・修理を依頼されたのはボロボロの両替機です。まして、ホールさんで何とか自分たちで修理をして安く済ませたいと思ったのでしょうか?部品もところどころない状態です。

ホールさには、修理は難しいと説明したのですが・・・・また、拝み倒される始末。
繰り返し修理できない場合も基本料の5000円がかかりますと説明するも、最後は都合の悪い部分は忘れてるのがお客さん!(最後の電話でやっぱり忘れてました!ホームページには掲載してるのですが・・・)これは、仕方ないのかな・・・と思いつつ持って帰ることにしました。

神業のような職人専務!

PD-15 両替機故障

どこの会社に行っても、よく耳にするのが「なんにも専務」といったオヤジギャグを耳にしたことありませんか?アトラスの専務は違います。さすが、修理で長年食ってきた本物の職人です。このひと、一度触った設備は殆ど一回で構造を理解します。ターミネーターみたいな人です!(一度触ったものを記憶するT-1000型)

あっという間に、ベルトなどの部品を交換して、足りないゴムベルトなどは、工場に注文します。長さ・素材・厚みなど・・・を瞬時に判断します。液晶などを使う設備は、日本で買うと高いので、中国で販売してる一緒の液晶を一発で見破りバンバン注文していきます。僕にはどこで見分けてるのか皆目見当がつきません。

話は、戻りますが帰りの車の中で「修理しても、多分ながくもたないですよ」と素っ気なく言ってました。←専務談話「まぁ、やるだけやってみましょう」←社長の私

翌日組み立てが終わり→テスト→異常なし→もう一度各部品をテスターなどでチェック→テストが終わり出来上がりましたと専務から報告があがりました。

PD-15のテスターを専務が自作で作ってるので動かしてみると問題なしです。(←本体がなくてもテスト可能)
ホールさんに連絡をして、今回は自社のハイエースで、納品に伺いました。

前回の教訓をいかして自分で納品です。

アトラスハイエース

設置をして動作確認を一緒お願いしたのですが・・・・数日後・・・またクレームの電話がなります。(もう何度やり取りしたでしょうか?心の中で、もう諦めて両替機新品で買えばいいのにと思ってしまう)

こんどは、お札が上手く搬送されないとのこと・・・・間違いなく、部品交換してるし問題ないはず・・・・なぜ?
仕方ないので、もう一度お店に出張修理に伺うはめに・・・・

修理したとこ以外に故障が発生!

PD-15モーター異常
さて、ここからが本番!修理したとこ以外が悪くなることってよくあることなんです。長年故障の為動かしていないので、原因を突き止めて修理しても、久々に動き出すと他の部分も「あっ久々に動いたけど今度は、こっちが・・・」なんてことが人間ででもよくあることですが機械も一緒なんです。

テスターで両替機の不具合を探る
専務は腕に絶対の自信を持ってるので、お店に伺う途中に「別のとこですね・・・」とぼそっといってました。到着してPD-15をその場で分解します。部品交換しているところは問題がないのでお札を送るモーターをテスターで測っていきます。すると・・・・一か所モーターが熱くならないと専務がいいだしました。サーモグラフィと言うのでしょうか?IPHONEに装着すると高温のところが赤くなるカメラがあるのですが、それを覗くと確かに青い色になっています。通常モーターは異常なしの場合、稼働すると発熱するらしいのです。私も触らせてもらうと確かに冷たいなと感じました。テスターを配線につなぐとモーターまでは電気がきてると専務は言ってます。

となると・・・「モーターが壊れてますね!この部分です!」と特定。※アカ丸の部分

「これは、ここでは修理できないなぁ~」←専務 結局これを持って帰り修理する羽目に・・・・ここで、モーターの移植の為一台PD-15を別途調達することになりました。もちろんお金を払って別の業者からです。この時点で当社もかなりの交通費・時間・部品代がかかっています。(やんなきゃ、よかったな~とブツブツ言いながら帰る)

ホールさんからすると、なぜ修理を頼んだのに最初から分からなかったんだと、言いたげなのは分かりますが・・・さすがに何処が次に壊れるか?を予測するのは難しいのです。壊れて初めて分かる場合も多々あります。

この時点で、請け負った私のミスです。ホールさんに「もう限界ですから、修理はあきらめましょう」と言って引き返すべきでした。

依頼された内容と別のとこで不具合が発生したのです。こんかい持ち帰ったPD-15は消耗部品を変えると差し当たって使える状態になりました。しかし、いくら修理しても一か所危ないな・・・という部分が目視できるとこでありました。もちろん今は問題ないのですが・・・

ここで、勘違いしないでほしいのですが、代替え部品や部品供給ができる修理は何とかなるもんなんです。古すぎる両替機は、交換のパーツがないのでどうしようもないのです!

なんだかんだで、専務は修理を完成させました。テスターにつないで動作チェックです。

 
動画のように問題なく動くようになりました!今度は問題ない!車に積み込み→ホールに到着→設置→何度も確認→ホールさんも今度は間違いないと言っていただく→安心して帰る!

やっとで、この案件からも解放されると、ほっとしたのもつかの間・・・・一週間くらいして再び電話が来ます!
もう、いい加減諦めてくれないかな~!(苦笑い)

いちばん恐れていた事態が・・・  

ER-200識別機
ホールさんから、私たちが帰ったあとも問題なく動いていたと電話で伺いましたが、突然お札を読み込まないE-320エラーがでたと電話で報告がありました。一番恐れていた事態が発生!そうなんです・・・このER-200は識別機が悪い個体が非常に多い両替機なのです。前文で書きましたが一か所気になる部分は識別機でした。識別機を開けると蛍光灯が緑になってますが、この緑に発光してる光が暗くなってたのです。これをホールさんに言うべきでした。※センサー部分を清掃すると改善する場合もあります。

これも、私のミス!発光が暗いと読み込みが悪くなる場合が多いのです。 「まぁ、今大丈夫だから何とかもつかなぁ?」と安易な考えでした。

やはり、これが原因でお札を読み込まなくなったのです。ER-200は識別機が悪くなるとアウトです。部品交換が識別機だけはできないからです。

これで、万事休す!いままでの苦労が水の泡となりました。ホールさんにそのことを説明→納得いかない→別のメンテナンスが可能な中古両替機に変えれば?と、ご提案→ホールさんから最終的にお金返せ!→「なおらないかもしれないですよ!」と何度も説明しましたよ→ホールさん都合の悪いことは忘れる。

修理って100%なおるものではないのです。無理くりつかっても大丈夫なときもあります。しかし、かえって高くつく場合もあるのです。こんかいは、途中で文章にするとながくなるので記載してない手間も結構かかりました。ちなみに、修理代金の請求は部品代も含め30000円です。交通費は別途・出張料はいただいていません。

これが、ぼったくりなのか?わかってくれる人はわかってくれると思います。

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