小型券売機にはいくつかのデメリットがあります。
その中でも特に注意すべき点は、最大口座数が24口座と限られていることです。
この24口座をすべて使用すると、ボタン上の文字が小さく表示されてしまいます。
文字が小さいと、高齢者など視力に不安がある方には読みにくくなる可能性が高く、使い勝手に影響を及ぼします。
小型券売機の中には、10口座程度しか対応していない機種も存在します。
そのため、自店のメニュー数に応じて、適切なモデルを選ぶことが重要です。
特にメニューが多い店舗では、42口座対応の機種など、より多くの口座を管理できる券売機も検討する必要があります。
以上の点を踏まえると、小型券売機を選ぶ際には、メニュー数や使用するユーザー層(高齢者を含むかどうか)を考慮し、自店舗に最適なモデルを選択することが大切です。
デメリット2:つり銭の容量が少ない
デメリット3:発券枚数が少ない
小型券売機の3つ目デメリットとして、発券可能な枚数が大型券売機と比べて少ない点が挙げられます。
これは特に来店客数が多い店舗で大きな課題となる可能性があります。
小型券売機と大型発券枚数の比較
小型券売機では、標準的な厚紙(標準ロール紙)を使用した場合、1ロールで発券できる枚数は約1300枚程度です。
これは、用紙の長さが最小38mmで設定されているためです。
一方で、大型券売機の場合は、同じ厚紙を使っても最少30mmの長さで約10,000枚の発券が可能です。
このように、小型券売機では大型機と比べて一度に発券できる枚数が大幅に少ないことがわかります。
デメリットが発生する場面
発券枚数が少ないという特性は、特に来店客数が多い飲食店で問題になります。
1日に何百人ものお客様が訪れる店舗では、発券用紙がすぐになくなり、頻繁に用紙を交換する必要が出てきます。
この交換作業は手間がかかるだけでなく、繁忙時間中に行う場合、運営効率にも影響を与えることがあります。
また、用紙が切れるタイミングによってはお客様を待たせてしまい、顧客満足度の低下を招くリスクもあります。
自店舗の来店客数を把握する重要性
このようなデメリットを避けるためには、まず自店舗の1日の来店客数をしっかり把握することが重要です。
たとえば、1日に100人程度の来店客が見込まれる場合、小型券売機でも十分対応できる可能性があります。
しかし、1日に500人以上の来店がある店舗では、頻繁な用紙交換が必要になるため、発券枚数の多い大型券売機を選ぶ方が現実的です。
適切な券売機選びのポイント
券売機を選ぶ際は、単にサイズや初期費用だけでなく、以下のポイントも考慮してください:
- 1日の来店客数:何人のお客様が利用するか。
- 用紙交換の頻度:忙しい時間帯でも対応できる余裕があるか。
- 運営効率:少人数運営の場合、交換作業の手間が大きな負担にならないか。
このように、自店舗の運営状況をしっかり分析した上で、小型券売機と大型券売機のどちらが最適かを選択することが重要です。
特に来店客数が多い場合には、大型券売機の採用を検討することで、よりスムーズで効率的な運営が実現できます。
小型券売機を導入するメリットは?
散々と小型券売機のデメリットを羅列いたしましたが、小型券売機を導入するメリットはないのでしょうか?
そんなことはありません。
小型券売機のメリット次の通りです。
メリット1:初期費用が安く済む
メリット2:移動や持ち運びが簡単
メリット3:スペースがないお店でも設置ができる
メリット4:操作方法が簡単である
以上のメリットを順をおって解説します。
メリット1:初期費用が安く済む
意外に思われるかもしれませんが、大型の券売機とVT-B20と小型券売機のVT-S20の値段はほとんどかわりません。
ただし、本体の価格を比べた場合です。
大型の券売機は、オプションが多くなります。
ボタンの数も多く、転倒防止板も付けないといけません。
オプションのボタンが意外と高く、小ボタンで3000前後・中ボタンで一個8000円以上します。
メーカーさんは、新品で大型の券売機を買ったとき30個前後は標準で付けてくれますが、あとはオプション品として購入しなければなりません。
つまり、64口座のボタンがある場合34個はオプションとして購入することになります。
小ボタンの場合、プラスアルファで100,000円以上の価格差がでてきます。
また、転倒防止板もオプション品となり価格は20,000円!
結果的に小型券売機との価格差は合計で120,000円ほどになってしまします。
費用を安く押さえたいのであれば小型券売機が断然お得です。
メリット2:移動や持ち運びが簡単
小型券売機はコンパクトで軽量な設計のため、設置場所を柔軟に変更できるのが大きな利点です。
イベント会場や店舗内での配置替えが容易であり、必要に応じて短時間で移動や持ち運びが可能です。
これにより、スペースの有効活用や一時的な出張販売にも対応しやすくなります。
メリット3:スペースがないお店でも設置ができる
小型券売機は限られたスペースでも設置可能です。
カウンターの一角やレジ横、入口付近など、わずかな空きスペースを活用できます。
狭い店内や小規模店舗でも、効率的にチケット販売や注文処理が行えるため、業務の効率化と顧客満足度の向上が期待できます。
メリット4:操作方法が簡単である
小型券売機はシンプルな画面表示と分かりやすい操作手順が特徴で、誰でも簡単に扱えるのが魅力です。
大型券売機と比べて、メニューの登録や基本的な操作方法はほとんど変わりませんが、内部の部品が少ないため、小型券売機の方が操作が若干シンプルです。
これにより、従業員やお客様が迷わずスムーズに利用でき、日常業務の効率向上にもつながります。
最新の液晶型小型券売機について
液晶タイプの小型券売機のデメリット
最近、液晶画面を搭載した小型券売機をよく見かけるようになりましたが、筆者としてはあまりおすすめしません。
その理由は、食券を購入するのに時間がかかるためです。
とくに、メニュー数が多いお店は注意が必要です。液晶画面のサイズが小さいと、最初の画面にメニューを収めようとするあまり、写真や文字が小さくなりがちです。
その結果、ユーザーが目的の商品を見つけづらくなります。
さらに、カテゴリー別に分かれている場合、画面が何度も切り替わるため、どのボタンを押せばよいのか毎回探すことになります。
特に年配のお客様にとっては操作が難しく、後ろに並ぶ他のお客様を気にしてしまい、結果としてお店自体を避けるケースもあります。
こうなると、リピート客が減少する可能性が高くなります。
実際に、当社への売却相談が最も多い機種が、この液晶タイプの小型券売機です。
一見、操作が簡単そうに見えますが、購入までの流れ(導線)が複雑で、非常に分かりにくいのが現状です。
解決策としての提案
- 液晶画面のサイズは大きいほど良い
大型の液晶画面を搭載した券売機を選ぶことで、写真や文字が見やすくなり、操作のストレスが軽減されます。
- 繁盛店には券売機を2台設置する
お客様が慌てずに購入できる環境を整えるため、券売機を2台設置することをおすすめします。
※大手の飲食チェーン店は、液晶タッチパネル式の券売機を2台置いてある場合がほとんどである。
例)ラーメン山岡屋・やよい軒など
液晶タイプの小型券売機は便利に見える一方で、操作性や購入までの手間に課題があります。お客様の使いやすさを第一に考え、液晶の券売機選びは慎重に検討してください。
よくある液晶の券売機で戸惑うユーザー