両替機ERD-20QE入庫整備 出金ユニット編
今回はERD-20QEの出金ユニットの入庫整備についてご紹介します。
出金部は両替機のユニットの中で最も消耗の激しい部分になります。
早速、作業に取り掛かります。今回のユニットはコレです。古びてますね。
まず刷毛で撫でながらエアーで埃を飛ばし状態を把握します。
まあまあキレイ
目視で劣化しているパーツを確認していきます。このユニットはゴム系全てアウトですね。
ゴムのパーツは経年劣化すると加水分解といって最後には液状化してしまうんです。
また、加水分解が始まると熱でさらに脆くなる性質があり、冬場は正常でも夏場になると
札にベタベタの黒いスジが付くようになります。気付いたら早めの点検をお勧めします。
衣類に付いたり、飛び散ると簡単には落ちない汚れなので、非常に厄介です。
これらの劣化したゴムパーツは新品と交換します。
部品交換と掃除が終わったら組み立てです!
ROMは最新バージョンに!!
基板のメインROMは50,51,52,53,54,55,56と種類があり、
56が現状最新です。プログラム的に見るとA055かA056が推奨です。
電源を入れ各センサーの状態をテスターを使いチェック、通路部微調整等を行います。
払出ユニットにはエラーログが記録されています。いつどんなエラーが発生したか
記録してくれているのです。さすが一流メーカーです、保守性抜群です。
とりあえず見てみましょう、こんなふうにプリントできます。
エラー番号毎の累積回数やエラーが発生した日時がわかります。
このデータにより、どの辺に弱い部分があるのか推測できます。
また、修理で入庫した際、お客様からのエラー情報が曖昧な時に役立ちます。
データを見てみましょう、「クリア4.8.27 15:06」とあります、2004年が年数的に使用開始日でしょう。
途中メンテナンスは行っているとは思いますが長持ちしますね。
最後のエラー日時が「20.10.11」なので2020年まで使っていたようです。
あとは倉庫で眠っていたと推測されます。
具体的にエラーを見てみましょう。
「301」と「303」が多いですがこれは1000札の不足関連なので無視します。
次に「025」と「202」が多いようです、これは入金部のエラーなので払金ユニットには
関係なしです。出金部には大きなトラブルは無かったようです。
整備したのでこれまでのエラーログはクリアしときます。
サビのひどい部分だけ軽く防錆塗装して完成です。
これでまたしばらくは大丈夫そうです。
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